新しい常識を作る



見知らぬオッチャンが
僕の車を見て声をかけてきた


「 おにいちゃん 写真屋さんか? 」

「 そうですけど 」

「 ひとつ聞きたいんやけど
携帯(ガラケー)で撮った画像を
プリントするには
どうしたらいいんや? 」

僕はポケットから
自分のガラケーを取り出して

「 このマイクロSDに
データを記録させればできますよ
どこの電気屋さんでも売ってますし 」

「 そっか ありがと ありがと♪ 」


オッチャンにとって
「 写真のなんでも屋さん 」とは
そういう風に見えたんだろう


・・・


そのとき
ふと3年前の記憶が蘇った

自分がどうして
この屋号を思いついたのか?


今の商業(営業)写真は
その業界の人間に
作り上げられてきた常識によって

記念写真とは
こういうモノだということが
長い年月をかけて
人々に刷り込まれてきたから

残したい人も
そういうモノと思い込んでしまい

無意識のうちに
諦めさせられていることに
気付いていない


でも自分はある時
そんなことはないと思った


人生の中には
大切にしたい瞬間があって
要は気持ちひとつで
無限に広がるということ


ここまでしか残せないじゃなくて
こんなところまで
残せるんだと思える写真屋さん

まず残したい人が柔軟で
自由な発想を持って
残したい瞬間を考える写真屋さん

それが
「 写真のなんでも屋さん 」に込めた願いだ



だから僕は
そんな業界の人たちが作ってきた
そして今も根強く残る
その常識という既成概念を
ぶち壊したいと思ってます

そのためには時間がかかるだろう
思い通りにいかないことも多いだろう
非常識だと思われるだろう
馬鹿にされることもあるだろう

でもそんなことどうだっていい

誰が何と言おうが
例えどんな未来が待っていようが
やってみたいと思ったことを
追い求めていきたい

ただそれだけ


何かひさしぶりに
熱い気持ちが湧いてきて
うれしくなった

オッチャンありがとう





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